
トレイルランニング(トレラン)は、自然の中で走るスポーツとして多くの人々を魅了しています。標高差のある山道や未舗装の道を駆け抜ける体験は、舗装された道路を走るロードランニングとは一味違う楽しさを提供してくれます。
しかし、初心者にとっては、トレランに挑戦すること自体が少なからず不安を伴います。「自分でも走り切れるのか?」「何を持っていけばいいのか?」「大会当日はどう過ごせばいいのか?」といった疑問が浮かぶのは当然のことです。
私も最初の大会に出る時はとても不安だったことを覚えています…当日何をやったらよいかわからなかったり…
この記事では、初心者から上級者に至るまでの大会参加のステップや、トレランで成長するためのポイントを詳しく解説します。大会に参加することの意義や心構えについても触れつつ、どうやってステップアップしていけるかをご紹介していきます。
初めての大会は短い距離から始める
トレイルランニングに初めて挑戦する場合、一番大切なのは「自分が走りきれる距離を選ぶこと」です。特に初めて参加する大会では、短い距離から始めるのが理想的です。多くのトレラン大会では、初心者向けの距離として10kmや15km程度のコースが用意されており、初めてでも比較的挑戦しやすい距離となっています。
初めてのトレランに不安がつきもの
トレイルランニングが初めての方にとって、不安や心配なことがたくさんあるかもしれません。「本当に自分が完走できるのだろうか?」「自然の中で走るのは初めてだから、道に迷ったり、怪我をしたりしないだろうか?」など、考え始めると不安が尽きません。また、「何を持っていけばいいのか」「当日はどう過ごすべきか」など、準備に関する悩みも出てくるでしょう。
そのため、初めての大会では、自分が「走りきれる」と自信を持てる距離から始めることをお勧めします。特に最初は、自分の体力や走力に合ったコースを選び、無理なく走ることを目指しましょう。10km程度のコースであれば、登りや下り、岩場やぬかるみなどの自然の障害物に対応しながらも、比較的短時間で走り切ることができるため、安心して挑戦できる距離です。
走りきれる距離を選ぶことが安心感に繋がる
トレランに初めて挑戦する際、特に重要なのは「安心感」です。距離が長すぎると、途中で心が折れてしまうこともありますが、無理のない距離であれば、「自分でもやり遂げられる」と感じることができ、気持ちよくレースを終えることができます。また、トレイルランニングは、舗装された道路と異なり、自然の中を走ることで精神的なリフレッシュにもなります。気持ちよく走り切ることができれば、次回の大会に向けた自信にも繋がります。
初めてのトレランでは、過度に速さや競争を意識せず、走ること自体を楽しむことが大切です。これが、トレランを続けるための一歩となります。
2回目以降は徐々に距離を伸ばしていく
1回目の大会を無事に終えたら、次は距離を伸ばしていくことを目指しましょう。初めての大会では10km程度の距離から始めたかもしれませんが、2回目以降は15kmや20km、さらには30km以上の長距離レースに挑戦してみても良いかもしれません。
経験を積むことで戦略を学ぶ
距離を伸ばすためには、何よりも「経験」が必要です。短い距離の大会では、なんとか走り切ることができますが、長距離になると、単に体力や技術だけでは完走が難しくなります。特に、長距離のレースでは、ペース配分や補給戦略、体調管理が非常に重要になります。これらは経験を積むことでしか学べない部分が多く、初めて挑戦する大会では実際に試してみないとわからないことが多いです。
例えば、長距離レースにおいて重要なのは、ペース配分です。序盤に勢いよく走りすぎると、後半に体力が尽きてしまうことがあります。そのため、レースの前半は無理をせず、体力を温存して後半に備える必要があります。また、補給についても重要です。エネルギー切れを防ぐためには、定期的に補給を行うことが大切で、どのタイミングで、どれくらいの量を摂取するかが鍵となります。
大会前の準備
距離を伸ばすためには、レース前の準備も重要です。大会の数日前からは、練習量を減らす「テーパリング」を行うことで、体を疲れさせないようにしましょう。テーパリングとは、レース前に少しずつ練習量を減らしていくことで、レース当日に万全の体調を作る方法です。また、必要なギアや補給食、水分の準備も忘れずに行いましょう。
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前日と当日の準備
大会前日は、特に食事や睡眠に気をつけましょう。炭水化物を中心とした消化の良い食事を摂ることが大切です。レース当日の朝は、軽くエネルギーを補給し、スタート前にはリラックスして臨みましょう。スタート前にトイレを済ませることも忘れないようにしましょう。トレイルランニングの大会では、スタート前に混雑することも多いので、余裕を持って準備することが大切です。
レース中のペース配分と補給戦略
レースの途中では、ペースを上げすぎず、自分の体調に合わせて走ることが大切です。特に上級者向けの大会では、ペースの調整が非常に重要です。最初は力強く走り出すかもしれませんが、後半に疲れが出てくることを考えて、余力を残して走りましょう。
補給も非常に重要です。30分おきにエネルギーを補給し、水分もこまめに摂取することが大切です。補給食には、エネルギーバーやスポーツドリンク、ジェルなどを持参すると便利です。トレイルランニングでは、給水所が設置されている場合が多いので、そこで水分補給や軽食を摂ることもできます。
メンタルの強さが完走のカギ
トレイルランニングにおいて、体力や技術以上に大切なのは「メンタルの強さ」です。長距離のレースでは、途中で体力が尽きてくることや、気持ちが折れそうになる瞬間が必ず訪れます。しかし、その時にどう対応するかが、完走できるかどうかの大きなポイントになります。
メンタル面の強さを育む方法
レース中に「もう無理だ」と感じることがあっても、それを乗り越えるためには「レース経験」が非常に有効です。過去に辛い時期を乗り越えた経験があれば、それを思い出すことで再び力を振り絞ることができます。たとえ疲れてきても、前回のレースや練習で乗り越えた場面を思い出し、「あの時よりはまだ元気だ」とポジティブに考えることで、メンタル面を強化できます。
また、レースの途中で「完走できるかどうか?」という不安に襲われることもありますが、その時には「今できる最善のことをやるだけ」と心を落ち着けることが重要です。「あと何キロだろうか」と考えすぎず、一歩一歩を確実に進むことが大切です。
メンタルを強くするための習慣
日々のトレーニングから、メンタル面を鍛える習慣をつけることが有効です。例えば、長時間のランニングを行い、心が折れそうな瞬間を自分で乗り越えることで、メンタルの強さが育まれます。また、ポジティブな自己暗示を使うことや、レース前にリラックスするためのルーチンを作ることも効果的です。
終わりに
トレイルランニングは、体力だけでなく精神力も必要なスポーツです。初心者から上級者に至るまで、レースに挑戦することで成長することができます。まずは自分が走りきれる距離からスタートし、徐々に距離を伸ばしていくことを目指しましょう。レース前の準備やペース配分、補給戦略を学びながら、経験を積むことで、次第に自信を持って挑戦できるようになります。そして、最も大切なのは「メンタルの強さ」です。レース中に辛くても、過去の経験や自分の強い気持ちを信じて、最後まで走り抜けましょう。あなたの成長を応援しています!